【ブログ】食×Well-being:good food,good life

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無印良品札幌パルコ店で「わたしたちの食卓(わたしたちと、食料システムサミットvol.5)」を実施しました!

2020年から始まった「わたしたちと、食料システムサミット」は、私たちの食卓の現状を消費者がもっときちんと知り行動に移していくために、生産・流通・小売りなど、食に関わる人たちとの対話イベントです。

コロナ禍はオンラインで実施してきましたが、収束後は新篠津つちから農場さんで、実際に玉ねぎやとうきびを収穫・おいしくいただいながら実施してきました。
第5回となる今回は、無印良品札幌パルコ店さんと共催で、「わたしたちの食卓」と命名しました。
他でもない、私たち自身が考えなければならない課題だからです。

 

「つながる市」との同日開催

無印良品札幌パルコ店では、毎月「つながる市」を開催しています。
生産地と食卓、地域と地域、人と人をつなげる「つながる市」と、私たちの取り組みの理念が一致し、今回はつながる市と同日開催をし、スピーカー(登壇者)もつながる市の出店者にお願いをしました。

www.muji.com

 

キートーク&クロストーク

 

先進的な農福連携の取り組みを行う「カレイドスコープ」の加藤さん、

「北海道食べる通信」を通じて、食材を生産者の想いとともに届ける佐々木さん、

そして無印良品の佐藤さんに、キートークとして取り組みをご紹介いただき、

クロストークを行いました。

規格外を「ハネもの」とひとくくりにするのではなく「不細工野菜コンテスト」のようにちょっと切り口を変えてとらえて「違いを楽しむ」ことができるといい、といったお話が出ました。

元々農業に関連があったわけではないスピーカーのみなさんが、今の仕事を通じて得た農業に対する気づきもシェアいただきました。

もともとインスタなどで見る「有機」「無農薬」は「おしゃれ」なのだと思っていたという佐藤さんは、この仕事を通じて、有機環境負荷を減らせたり、(農薬の知識が要らないので)手軽に農業を始めるための入り口であるなど、「有機」のもつ奥行きについて知るようになったと言います。

一次産業に携わる人が使う言葉の違い(「イカがつく(←釣れる)」「雨をもらう(←降る)」)から、見ている世界の違いを感じる、といったエピソードも非常におもしろく感じました。

私たちは毎日当たり前に食べますが、一次産業の奥行きや、その人たちに見えている世界、食材がもつ背景について知ることがとても少ない、考える機会がないことを改めて感じました。

 

「食の安全・安心」と「食料安全保障」の両立(北海道大学 山中教授からのお話)

会場全体が、今まで見えていなかったことへの視点、既存のシステムで生じる問題(規格外やフードロスなど)について課題意識が高まったところで、
北海道大学大学院環境科学院の山中先生からお話いただいたことは、現状を冷静にとらえるうえで非常に重要でした。

規格があること規格外も生まれるし、サプライチェーンが言ってみれば硬直化しているからロスも生まれるけれど、「規格」や「サプライチェーンの確立」があるからこそ私たちは毎日安心して食べることができるわけです。
「食の安全・安心」と「食料安全保障」はトレードオフであってはならず、両立しなければいけない問題であることを改めて理解しました。

また、私たちの暮らしに端を発するCO2は全体の6割を占めており、食は11%を占めますが、
食関連のCO2を減らすためには、「ビーガン食に変える」ことがインパクトの大きい行動として国立環境研究所から示されています。
確かにCO2削減のためには肉を食べないことが得策なのかもしれない。けれどCO2さえ減らせれば畜産農家が倒産してもいいのだろうか、といったことは、
どこかよその問題なのではく、自分たちの問題として逃げずに考えなければならないというお話もありました。

 

対話の時間

 

そのあとは、4グループごとにスピーカーのみなさんと山中先生が入り、感想のシェアや質問したりと、対話を行いました。
どのグループもとても盛り上がり、熱量の高い時間となりました。

今回うれしかったのは、参加者のみなさんからの質問や発話がとても多かったこと。「わたしたちの食卓」と名付けたとおり、私たちがテーマとしていることは「食べる人はみんな」で一緒に考えられたらいいなと思っていました。
私やスピーカー、山中先生のお話を一方的に聞くだけでなく、湧き上がった質問や、思ったことをそれぞれ言葉にしていただけたことが、とても大きな成果だと感じています。

チェットベーカリーさんのパン

今回は、みなさんにゆったりとご参加いただきたくて、つながる市出展者の「チェットベーカリー」さんに「わたしたちの食卓」用スペシャルパンを作っていただきました。私も終了後にいただきましたが、生地がもちもち、具もごろごろ、おいしかったです!食べながらお話しやすいようにと、細長いスティック状にしていただくというご配慮もいただきました。

なんと定番化しているそうなので、ぜひお店に行ってみてください。

 

グラレコ

今回も、グラフィックレコーディングに水口さんに入っていただきました。様々な人の発言と視点のあるこういった場が、ぶれずに着地できるのは、グラレコのおかげなのです。




最後に

日々いろいろな情報にさらされている私たちは、その情報を知っただけで「わかったつもり」になっています。
しかもその「わかったつもり」にはだいぶ主観も入っていることもしばしば。
「食料自給率が37%」「担い手不足」「規格外野菜」「フードロス」そういった言葉がもつ実際の現場がどうなっているのか、ちょっと突っ込んで調べたり考えたり、見に行ったりということと、「知る」ということをセットで行わなければ、本質をすぐに見失ってしまいます。
それは、今複雑化している様々な問題で同じことが言えます。
知ったつもりにならないで、なぜ?どうやって?を重ねること。

 

こうした食に対するリテラシーを(自分も含め)上げるため場は、問題解決に直結するようなことではありませんが、解決のための土壌づくりとして大切にしている活動です。

今後も、たくさんの方と一緒に考えていきたいと思います。

 

ご案内

「わたしたちと、食料システムサミット」はFacebookコミュニティがあります。これまでのイベント参加者は、どなたでもご参加いただけますので和田宛にご連絡くださいね。

goodgfood.goodlife.0831@gmail.com